4月28日(日) 京都11R 天皇賞(春)(G1) 芝3200m
【過去10年のデータから(JRA)】
波乱の歴史と名馬の系譜が交錯する伝統の一戦!
「第147回 天皇賞(春)」
過去10年の天皇賞(春)優勝馬10頭中、単勝1番人気の支持を集めていたのは2006年のディープインパクトのみで、過半数の6頭は7番人気以下だった。グレード制が導入された1984年以降を見ても、単勝1番人気の支持に応えて天皇賞(春)を制したのは、前出のディープインパクトの他に延べ9頭だけである。なお、この9頭はいずれもJRAのGI を生涯で3回以上勝っている歴史的な名馬。波乱の決着が多い一方で、突出した優駿はファンの支持に応えており、あらゆる意味で見逃せないレースと言えるだろう。今回は過去10年のレース結果から、傾向の変化も踏まえたうえで好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
前走「3着以内」馬が中心!
過去10年の3着以内馬30頭中延べ24頭は、前走で「3着以内」に入っていた。一方、前走で「4着以下」に敗れていた馬は3着内率7.5%と苦戦している。まずは前走の着順が良かった馬に注目すべきだろう。
なお、単勝5番人気以内の支持を集めて3着以内となった馬のうち、前走で「4着以下」に敗れていたのは2008年2着のメイショウサムソン(前走6着)だけだった。上位人気馬同士を比較する際も、前走の着順に注目してみたい。
若い馬が優勢!
年齢別成績をみると、「7歳」・「8歳以上」の馬は優勝例がなく、「8歳以上」の馬は3着以内となった例もなかった。一方、勝率と連対率がもっとも高かったのは「4歳」馬で、3着内率がもっとも高かったのは「5歳」馬である。比較的若い馬の方が信頼できるレースと言えそうだ。
なお、単勝6番人気以下で3着以内となった馬のうち、「6歳」だったのは2009年1着のマイネルキッツだけ、「7歳」だったのは2005年2着のビッグゴールドだけだった。前評判が低い馬を比較する際も、「4歳」や「5歳」の馬を重視すべきだろう。
近年は3歳クラシック競走で好走経験のある馬が強い!
過去7年の3着以内馬21頭中延べ14頭は、JRAのGI・JpnI で3着以内となった経験のある馬だった。3連単145万2520円の大波乱決着となった昨年も、上位3頭はいずれもこの条件を満たしていた。2005年以前はこの条件を満たさない馬も健闘していたが、近年はJRAのビッグレースで上位に食い込んだことのある馬が優勢だ。
ただし、JRAのGI・JpnI で3着以内となった経験があった馬のうち、クラシック競走(皐月賞、日本ダービー、菊花賞)で3着以内となった経験がなかった馬は3着内率13.0%とやや苦戦していた。JRAのビッグレースで上位に食い込んだことがあっても、そのレースがクラシック競走でなかった馬は過信禁物かもしれない。
前走の条件をチェック!
過去7年の3着以内馬21頭中、2010年3着のメイショウドンタク(前走・大阪-ハンブルクC)を除く20頭は前走で「JRAのGII」に出走していた馬だった。なお、前走が「JRAのGI」だったのは前年の天皇賞(秋)以来の出走だった2009年8着のポップロックだけである。2005年以前は前走でJRAのGII・JpnII 以外のレースに出走していた馬も健闘していたが、近年の傾向を重視するなら、前走がGII だった馬を重視すべきだろう。
内枠の伏兵馬に注意!
過去7年において単勝6番人気以下で3着以内となった6頭のうち、2007年2着のエリモエクスパイア(8枠)を除く5頭は「1枠」か「2枠」の馬だった。昨年の天皇賞(春)を単勝14番人気で制したビートブラックも1枠1番の馬である。近年の傾向を重視するなら、内めの枠に入った中位~下位人気馬は軽視禁物だろう。
長距離重賞を勝ち切っていない馬が有力!?
過去4年の優勝馬4頭は、いずれも芝2400m以上で行われたJRAの重賞において連対経験のある馬だった。ただし、該当レースにおける最高着順は4頭とも「2着」だ。一方、芝2400m以上で行われたJRAの重賞において優勝経験があった馬は、過去4年で延べ39頭いたもののすべて2着以下に敗れている。長距離の重賞を勝ち切ったことがある馬よりも、善戦止まりだった馬に注目すべきかもしれない。